近年、植物由来のセラミドを配合した化粧品の人気は高まっています。
そもそも、植物性セラミドとは何なのでしょうか?それ以外のセラミドとの違いとは?
・セラミドとは?
セラミドは、皮膚に自然に存在する脂質の一種です。化学的にはスフィンゴシンという長鎖のアミノアルコールに脂肪酸がアミド結合したものです。 セラミドには肌のバリア機能を維持し、水分の損失から肌を守る機能が知られています。また、セラミドは創傷治癒や皮膚の修復、アトピー性皮膚炎にも関与していると考えられています。
セラミドにはいくつかの種類がありますが、最も一般的なものはセラミドEOP(セラミド1)とセラミドNP(セラミド3)として知られています。セラミドEOPは皮膚の一番外側の層に多く含まれ、セラミドNPは下層に多く含まれます。
・セラミドはどこからくる?
肌の中のセラミドはターンオーバー中に角化細胞が成熟していく過程で生成されてきます。元々セラミドは細胞膜を構成する脂質の一部であるためです。ただし、加齢や肌の炎症、アレルギー、遺伝的な要因によりセラミドをうまく作れなくなることがあり、その結果、肌のバリア機能が失われ過剰な免疫反応により、肌の炎症が慢性化していく悪循環につながります。
・植物性セラミドとは?
植物性セラミド(フィトセラミド)は、米、小麦、大豆などに由来するセラミドです。これらは、皮膚に存在するセラミドと構造が似ており、同じような効果をもたらすと考えられています。フィとセラミドは、肌のバリア機能を回復させ、保湿力を高め、環境によるダメージから肌を守ると考えられてます。また、抗炎症作用や抗酸化作用もあると考えられています。
・植物性セラミドの利点は何ですか?
化粧品に動物性ではなく植物性セラミドを使用する利点はいくつかあげられます
1.肌の水分蒸散を抑える
2.オーガニック・ヴィーガン対応ができる
3.環境負荷が少ない
次世代のヒト型セラミド 「EcoCeramide LCS」
従来のヒト型セラミドは酵母などの発酵法にたより、セラミドNP、セラミドAPといった単一の分子として合成したものでした。
EcoCeramide LCS の最大の特徴は人の肌に多く含まれるC24 脂肪酸をはじめ、様々な長さの脂肪酸をバランス良く含むよりヒト型に近いヒト型セラミド原料といえます
・環境負荷の少ない理想的な製造プロセス
前述の通り一般的なセラミドの製造方法は加水分解や中和、有機溶媒の使用など環境負荷の高い生産方法と言えます。 EcoCeramide LCS はスフィンゴシンを天然由来の油脂と反応させることで異なる長さの多様な脂肪酸を持つ天然型のセラミドを得ています。
EcoCeramide LCSの作用 - 皮膚バリアの回復効果
被験者10名(24.0±1.7歳女性)にC18セラミドNPまたはEcoCeramide-LCSを配合した試験用処方(クリーム, 各セラミドを3.5%含む)を塗布してもらい、TEWL(経皮水分損失)値を12時間後に測定した結果、EcoCeramide-LCSにはセラミドNPを上回る、皮膚バリアの回復効果が認められました。
12時間という短時間においてのデータから、即効性を感じられる素材と言えます。
EcoCeramide LCSの作用 - 皮膚バリアの回復効果
EcoCeramide-LCS を配合した処方(EcoCeramide-LCS 由来のセラミド0.2%を含む)と、EcoCeramide- LCS を含まないコントロール処方(C18-セラミド0.2%を含む)を使用して、塗布4 時間後、8 時間後にTEWL(経皮水分損失)および、表皮の結合度(Epidermal Cohesion)を測定ところ、EcoCeramide-LCSは優位に表皮結合度を向上させる機能が認められました。
EcoCeramide LCSの作用 - 長時間の保湿効果
EcoCeramide-LCSを配合したクリーム処方*を1日2回、前腕部に10日間塗布した後、塗布を中止した。塗布を中止して1日後と3日後に皮膚の水分量をコルネオメーターで測定したところ、連用後の肌水分の上昇が認められています。つまり、EcoCeramide-LSCには長期使用後も皮膚バリア機能を向上させる機能があることがわかります。(*各セラミド3.5%、フィトスフィンゴシン1.5%、コレステロール2.5%、MCT(中鎖脂肪酸油)2.5%、レシチン95 1.5%、ステアリン酸1.5%、オレイン酸1.5%、リノール酸を用いたクリーム。)
そのほかにもNMF産生促進効果やセラミド合成の促進効果が認められています。詳しいデータについてはお問い合わせフォームよりご依頼ください。