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参加レポート- Sustainable Cosmetics Summit Asia 持続可能な化粧品会議

 参加レポート- Sustainable Cosmetics Summit Asia 持続可能な化粧品会議

2016年11月14日~15日、香港エクセシオールホテルで開催された、Sustainable Cosmetics Summit 持続可能な化粧品会議に参加してきましたので報告致します。


 この会議はワークショップを主体とした集まりで、オーガニック素材、エシカルラベル、サステナブル容器など様々なテーマをスピーカーと参加者同士でディスカンションします。スケジュールとテーマは以下の通り。 

11月14日月曜日
セッション1: Sustainability Update(サステナビリティアッピデート)

ナチュラルスキンケアブランドがどのようにしてカーボンニュートラルを実現åしてきているか。アジアの化粧品企業の一部が動物実験を続けている理由。動物実験代替法の現在地。 

セッション2: Marketing Developments(最新マーケット情報)

マーケティングがしばしば市場の成功と失敗の違いを生むという認識が高まっています。このセッションでは、ナチュラル&オーガニック化粧品分野で成功を収めたブランドの事例を紹介しながら、重要なマーケティングポイントについて説明します。オーストラリアのブランドは、どのようにしてプロ向けのオーガニックヘアケアブランドを開発したか?コーヒー農園が作った新しい種類の自然化粧品など。また、マーケットリサーチ会社によるアジアのオーガニック商品の消費者についていくつかの洞察を提供。アジアで最も洗練された化粧品市場を持つ日本では、流通企業がその機会を捉えてプロモーションをかけた事例紹介。

セッション3: Advances in Green Ingredients(植物由来原料の進展)

 このセッションでは、化粧品やパーソナルケア製品の天然由来原料の進歩について説明しました。ポリエチレンビーズの使用を禁止にする国が増えているため、将来的には天然由来のスクラブ剤を選ぶ必要があります。別の報告では、アジアのユネスコの世界遺産に登録されている地域の天然成分がありました。アジアの地域は高レベルの環境汚染が進んでいて、皮膚の健康に影響を与えており、汚染物質から皮膚を守る新たな成分が生まれています。他のレポートでは、機能性スキンケア製品を作るためのオーガニック成分の使用、および食品成分を配合する技術的問題にフォーカス。

11月15日火曜日 
ワークショップ1: Future of Ethical Labels(エシカルラベルの未来)

この新しいワークショップでは、化粧品、パーソナルケア製品に使用されるエシカルラベルの概要についてと、グリーン/エシカル製品の最も一般的な基準とラベル、採用のための技術的および製剤的な問題の詳細が示されました。 最新のISO規格だけでなく、ナチュラル&オーガニック、ハラールなどの化粧品規格について説明がありました。

また、市場動向、競争動向、消費者行動など、認定された化粧品の市場に関する最新情報、アジアの化粧品ブランドや原料企業の事業展望など、今後のエシカルラベルの将来図について参加者による活発なディスカッションがありました。

 ワークショップ2: Sustainability in Packaging (サステナブル容器)

パッケージは、化粧品業界では主要な持続可能性の問題で、パッケージの廃棄物に関する環境問題への意識は高まっていますが、包装を減らすための積極的な取り組みを行っている企業はほとんど無いとのことで、このワークショップでは、美容&パーソナルケア企業がパッケージングのカーボンフットプリントを減らすために行なっている実践的なさまざまな方法の紹介がありました。パッケージング材料の相違点を強調して、製品パッケージングのライフサイクルについて、パッケージング・フットプリントに影響を与えるフォーミュレーション設計について解説がありました。エコデザインアプローチと持続可能な材料を使用した製品例を元に参加者による積極的なディスカッションがありました。

サステナビリティは化粧品のみならず、消費財、人類が今世紀を乗り切って生存していくための共通の課題であり、個人では決して達成できない課題でもあります。

日本企業は今まで「使いやすく、効果もあり、安全・安心で、手に取りやすい価格の」商品を数多く生み出してきましたが、今後は「持続可能な社会」を生み出すことのできる商品開発もキーファクターの一つとなっていくでしょう。

以上Sustainable Cosmetics Summit Asiaのレポートでした。

 

 

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